ALL iz thiik hai! 一社会言語学者のブログ

社会言語学&バイリンガリズム&南アジア系移民 研究を中心とした自分の思索の記録 ALL iz thiik hai とは、訳すと「ALL is オーケーだ」。かなり色々なものをかけたマニアックで深ーい表現。

【学振】特別研究員よ、世帯主になれ (3/2追記)

 2月ももう終わりだが、学振研究員には毎年、この時期にやらなければならない仕事がある。

 それは、確定申告である。

 

 学振研究員には、学振の「給与」以外の収入(非常勤講師の仕事など)がある人もいるだろう。ふるさと納税をしている人もいるかもしれない。また、それよりも重要なのは、自分で国民年金や国民健康保険、(人によってはさらに)国民年金基金も納めていることである。それらを所得税から控除してもらうには、確定申告を行わなければならない。

 (まだ学振研究員ではない皆さん、学振特別研究員になると、自動的に国民健康保険の対象者になります。所得税・社会保険の壁を優に超える収入を得ることになるので、家族の扶養に入れません。よって、家族の健康保険からも脱退になります。)

 

 そんな中、概算6年目、最後の学振イヤーにある私が、また国民健康保険でしくじった。区役所に、確定申告用の国民健康保険の納付証明書をもらいにいったら、なんと、昨年分が丸々未納となっていたのだ。

 弁明しておくと、約三か月前、昨年12月初旬に区役所を訪れたときは、全て納付済みだった。すべてきちんと払ってあった。私は初めての学振のとき、銀行口座引き落としにしていなかったので、国民健康保険を滞納した(どの時点で本格的な「滞納」扱いとなるかよくしらないのだが、少なくとも納付書の期限は過ぎていた)。いちいち納付というのは忘れやすいので、ある時からきちんと銀行引き落としにした。

 クリーンだった私の健康保険納付状況が、この3か月で「未納」になったのには、わけがある。国民健康保険で窓口に相談になったのは、これが初めてではなかったので、事態が予測できたはずなのに、すっかり忘れていた。(役所の人も、なんか納付書がどうのこうのというお話を12月にしてくれたように覚えているが、その後すっかり国民健康保険のことは忘れていた)

 

国民健康保険の支払いは世帯主の義務で、請求先も世帯主

 国民健康保険の支払いは、加入者ではなく、世帯主の義務である。請求も、加入者ではなく、加入者の属する世帯の世帯主宛である。収入の多い少ない、年齢、性別、扶養、支払う人、引き落とし口座の名義人、どれも関係ない。私は、過去概算5年間、世帯内で唯一の国民健康保険加入者だった。もちろん、保険料は世帯主ではなく、私が払った。私名義の銀行口座から保険料は引き落とされていた。が、納付義務がある世帯主ではなかったので、納付書や納付証明書は私ではなく、世帯主宛だった。

 

 今回未納扱いになったのは、実は12月初旬に、私が世帯分離をして世帯主になったのが理由である。世帯主が変わると、その年の健康保険料の請求先が変わる既に納付した保険料は、それまでの納付義務のあった世帯主に還付される。そして、その分の保険料は、改めて、新しい納付義務のある世帯主に請求される。

 

 なんとも直感的には複雑な制度だが、理屈はわかる。

 

 こんなことになったのは、実は初めてでなかった。前回の学振(DC1)のとき、世帯主だった父が、1年間海外に単身赴任した。そのため、住民票の上でも、海外へ転出した。海外居住は、一年以上でないと正式に転出にならないらしく、転出が保留になっていたのか、父が帰国してから、変なことが起きた。父がいなかった間は、うちの世帯の世帯主は母ということになり、これまでの健康保険料の請求先であった父からは「過徴収」となり、母に再度「納付令」が出たのである。保険料は、私の銀行口座から引き落とされていたのにも関わらず。そんなわけで、父宛に、還付のお知らせが届き、同時に母宛には納付書が届いた。

 

 今回はどうなったかというと、いつの間にか(おそらく12月に説明があった)私の銀行口座に納付した分が全部還付されたらしい。それから、もう一度新しい請求書で、健康保険を払いなおした。払いなおしたのが、平成29年なので、平成28年度の確定申告では保険料控除が使えない。平成29年度なら使えるそうだ。平成28年度の方が所得が多かったら損だったな…。

 

まとめ

 学振研究員のみなさん。あなたは世帯主でしょうか。もしあなたが、世帯内で唯一の国民健康保険加入者かつ、世帯主でなかったら、今すぐ役所に行って、世帯分離をして世帯主になりましょう。「生計が異なる」と言えば、住所が同じでも、世帯分離の正当な理由になります。学振研究員は、扶養に入りません。社会保険にも入れません。世帯分離しても、デメリットはないはずです。

 その後で、私のようにそのまま放置しておかないで、元の世帯主と相談して、還付金を受け取って、再度納付しに行きましょう。

 メリットもデメリットもないから、世帯主でないままでいたら、このように、二回も国民健康保険の関係で、しくじることになりました。国民健康保険料は、その年に納めないと、その年度の保険料控除として確定申告に利用できません。(翌年度の確定申告で使えますが)

 家族関係は変わらないからいいや、と思っていると、うちの父のように、単身赴任等で海外に転出して、世帯から抜けるかもしれません。また、いろいろな事態で、世帯主に変更が起きるかもしれません。ささいなトラブルですが、ご自身が世帯主になると、こういうちょっとした手間を未然に防げます。