ALL iz thiik hai! 一社会言語学者のブログ

社会言語学&バイリンガリズム&南アジア系移民 研究を中心とした自分の思索の記録 ALL iz thiik hai とは、訳すと「ALL is オーケーだ」。かなり色々なものをかけたマニアックで深ーい表現。

異文化間コミュニケーション日記:「ガイジンと思われないため」の年賀状

最近あった、とある英語圏英語母語話者Cさん(客員研究員、いわゆる「アングロ系男性」)と、私(L)の会話である。

(実際は英語)

 

C: ちょっと教えてくれませんか、年賀状の送り方。

L: いいですよ。

C: 受け入れの先生に、年賀状を贈りたいんだけど、どうすればいいかな。この研究所宛に送るべき?それともご自宅?

 

L: うーん、関係性によりますが、ご自宅の場合、ご住所をお伺いしなきゃならないんですよね。だいたい、新年の休み(数日)が終わってから皆さん研究所にいらっしゃるので、見るころにはずいぶん遅くなりますね。7~8日頃にはもう「新年」も終わるので、それはちょっと…(多くの人は返信をするので、と言いそびれた)

C: うーん。下の事務の皆さんに、お歳暮を贈ろうと思うんだ。それと同じ時期にお渡しすればいいかな。

L: お歳暮と一緒は…(苦笑)聞いたことない。郵便局はいつ出しても必ず新年の1日か3日に届けるから、後で見ることになったとしても、お正月に来たんだろうなあと思ってくれるから、郵送で出しちゃっていいと思いますよ。

C: うーん、年賀状って難しいなあ。

L: まあ、クリスマスカードと違う悩みですよね。喪中とかいう概念も一応あるし、最近では日本人でもやらなくなってきてますよ、年賀状。

C: 日本文化のわからない外人(gaijin)だと思われたくないんだよ。受け入れの先生にも敬意を示したいし

 

 結局、先生の秘書さんにお伺いしてみる、という話でおさまった。(秘書さんのいる先生だったのかぁ…)ほめられないかもしれないが、私は自分の指導教授にも年賀状を送ったことがない。自宅住所は知らない。休みが終わらないと学校へ戻られないし、先生は年末年始はいつも海外だった。お歳暮等を贈ったら、コンプライアンスとかを気にされているのか、必ず研究室に持ってこられて、みんなでシェアになる。

 

 英語圏社会では、異文化や現地の慣習の尊重、郷に入っては郷に従えの概念が広まると同時に、日本社会では様々な価値観やルールの変化で、伝統的な慣習がすたれてきている。そうした中、こんなミスマッチが起きていたりする。